鈴鹿歌音

文字数 1,007文字

作者:鈴鹿歌音
2018/04/18 13:57

clanon213

    私は、階段で鉛筆などの筆記用具が入った筆箱を落とし、中身をぶちまけてしまった。
2018/04/18 13:58

clanon213

うわっ、最悪!!    鉛筆の芯、全部折れちゃってる!!    これから模擬試験なのに……
2018/04/18 13:59
    私は、折れてしまった鉛筆の芯を残念そうに見つめた。どうしよう……シャープペンシルを使うよりも模擬試験は、鉛筆を使った方が良い、って先輩が言っていたのに……。
2018/04/18 14:00

clanon213

どうかした?
2018/04/18 14:02
えっ?    何でもないよ?    ちょっと筆箱を落としただけだよ
2018/04/18 14:03
鉛筆……芯折れて使えないんだろ?
2018/04/18 14:03
どうしてそれを……
2018/04/18 14:04
さっき、あんたがここで筆箱を落としているの見ただけ。鉛筆貸してあげる。予備に沢山持っているから。返さなくても良いから
2018/04/18 14:04
    男の子は、私の手に鉛筆を握らせると、そそくさとその場を離れていった。
2018/04/18 14:06

clanon213

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
2018/04/18 14:07

clanon213

    私の名前は、結城    つぐみ。高校三年生。T大学理系三類の試験が待ち受けている私には、あまりにも時間がないのに、名も分からぬ鉛筆を貸してくれた男の子に恋をした。

    同じ模擬試験を同じ教室で受ける姿も何回も見てきた。彼もT大学理系三類を目指しているのか近親感を覚えたのは、事実だった。

    しかし、私の学力はなかなか上がってこない。ずっとT大学理系三類は、D判定のまま。

    そのままセンター試験を迎えてしまった。男の子も同じ教室で試験を受けているのを私は見つけ、何度も男の子の姿を追いかけたのも事実だ。

    そして、T大学の一次試験。私は、見事に合格者に選ばれ、二次試験に挑んだ。

2018/04/18 14:07

clanon213

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
2018/04/18 14:13

clanon213

あっ、ある……。私の受験番号がある……
2018/04/18 14:14
    私の受験番号は、あった。嬉しくて私はその場で歓喜の涙を流していると、私の前には、あの時私に鉛筆を貸してくれた男の子が花束を持って立っていた。
2018/04/18 14:15

clanon213

合格おめでとう。俺も合格したから春から同じ学部だな
2018/04/18 14:17
あっ……あなたは……
2018/04/18 14:17
あの日、名乗るの忘れてたけど……。俺の名前は、桂木    颯馬だよ。俺、ずっとあの日からあんたの事が好きだからここを目指した。だから、俺と付き合ってくれない?
2018/04/18 14:18
私も……ずっとあなたの事で一杯だった。これからもよろしくね、桂木くん
2018/04/18 14:20
    私は、桂木くんから花束を受けとる。赤い薔薇の香りに私は酔いしれたのだった。

    赤い薔薇の花言葉は、「あなたが好きです」

    これは、鉛筆が繋いだ愛の物語。

2018/04/18 14:21

clanon213

♥️終わり♥️
2018/04/18 14:23

clanon213

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