三題噺のお部屋
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『歪んだ愛の行く先』
「ゆか、ドライブでもしようか。この家から三十分ほどで着く海から見える夜景は、百万ドルの夜景と呼ばれているんだ」
そう声を掛けた悠太は、ゆかからの返事を聞かずに家を出た。
車に乗ってからの道中、悠太はゆかに何回か話しかけたが、いずれも返事は無い。一方的な会話を繰り返していく打ちに、海岸が見えてきた。
「着いたよ、ゆか」
悠太は家から出る時に、大きなボストンバッグを背負っていた。そのバッグを大切そうに抱え、ゆかとともに車を後にした。
砂浜に到着すると、悠太はゆっくりと、ボストンバッグから何かを取り出した。
「これからも、ずっと一緒だよ」
悠太は、取り出した黒い『何か』にそう呟いて、それを抱えたまま海に入っていった。 後に、彼らを見かける者はいなかった。
CHIHIRO_F
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