第135話 燕鬼VSコールド猫座右衛門
文字数 2,093文字
自分の身体に付いた油を舐め終わると
「ちょっと、ウザさが過ぎるんで、奴をブッ殺すことにしたニャ」
と、コールド猫座右衛門が、ゆっくりと、とにかくウザい秋山の側まで歩いて行くと
「なんだ、やる気か?このネコ野郎なのだ」
油を流しながら、ファイティングポーズをとる、とにかくウザい秋山。
「死ぬのだニャ」
コールド猫座右衛門は両手から大量の炎を出して、とにかくウザい秋山を燃やし始めた。
「暑いのだ」
油に火がついて、勢いよく燃え始める、とにかくウザい秋山。
「ついでに、あの鬼神も燃やすニャ」
燃えたぎる、とにかくウザい秋山を、燕鬼に向けて投げつけた。
「熱いなぁ、ムッチャするなよ猫人」
飛んで来た、とにかくウザい秋山をキャッチすると、燕鬼は呪文を唱えて召喚術を解除した。
すると
「暑いのだー」
と、叫びながら、とにかくウザい秋山は魔人界へと消えていった。
「今度は、俺が相手をしてやる」
燕鬼が近づいて来る。
ポキポキ
首の骨を鳴らしながら、コールド猫座右衛門も燕鬼に向かって行く。
「僕に勝てる者は、この世に居ないんだニャ」
両者共に、負ける事などは微塵にも考えていない。
「鬼神の力を思い知れ!」
燕鬼の右腕に雷のような電流が走ると、そのまま殴りかかった。
バキッ!バリバリ!
鬼神のパワーと凄まじい電流が合わさった、必殺の右ストレートがコールド猫座右衛門の顔面にクリーンヒットする。
「フギャ!」
かろうじて立っているが、コールド猫座右衛門は瀕死の状態である。
「大丈夫っスか?」
今度ばかりは、さすがに心配する武蔵。
「大丈夫じゃ無いニャ!もう駄目ニャ」
ふらふらのコールド猫座右衛門。
「ほう。まだ立っていられるとは、大した奴だ。だが、これはどうかな」
今度は燕鬼の両腕に電流が走り、華麗なフットワークでコールド猫座右衛門を、めった打ちにし始めた。
バキッ!バリバリ!バキッ!ビリビリ!バキッ!バリバリ!
激しいパンチのラッシュである。
コールド猫座右衛門はサンドバッグ状態であった。
「フギャ!」
「まだ、まだだ」
バキッ!バリバリ!
燕鬼の攻撃は、まだ続く。
「フギャ!」
10分ほどすると、さすがに燕鬼の手が止まり
「ちょっと、やり過ぎたか。コイツは、もうすでに息絶えている」
全力でのラッシュ攻撃を行ったので、燕鬼にも疲れが出て来ている。
「大丈夫っスか」
武蔵が駆け寄る。
ーーさすがに、あの攻撃で生きている者はいないッスよーー
「大丈夫じゃ無いニャ!もう駄目ニャ」
しかし、コールド猫座右衛門は普通に生きていた。
「しっ、信じられん。なぜ、お前は死なないんだ!」
武蔵よりも燕鬼の方が驚いている。
「もう、死ぬニャ」
と言いながら、コールド猫座右衛門は、ポケットからアイコスを取り出すと、美味そうに吸い始めた。
スパー
「いやぁ、ほんまに死ぬかと思ったニャ。兄ちゃん悪いが、ビール買って来て」
コールド猫座右衛門は、武蔵に千円札を渡そうとした。
「いや、そんなの飲んでる場合じゃ無いッス。あんた大丈夫なんスか?」
「だから、大丈夫じゃ無いニャ」
と言いながらも、コールド猫座右衛門はアイコスを吸いながら、くつろいでいる。
「なんか大丈夫そうに見えるッス」
「しつこいニャ、大丈夫じゃ無いって言ってるニャ!早くビールを買って来るニャ!」
コールド猫座右衛門が怒り出した。
「わかったッスよ、買って来るッス」
しぶしぶ武蔵は、近くのコンビニへと向かう。
その様子を見ていた燕鬼は、またもや頭を抱えて悩んでいる。
ーーなぜ奴は死なないんだ。不死身なのかぁーー
加藤が山椒鬼と死闘を続けているなか、ポピノヒーは、まだピッチング対決で負けたショックを引きずっていた。
「ハァ、まさか拙者が負けるとは」
自販機で買った缶コーヒー飲みながら、ため息をついている。
「おい、虎之助。コーヒーなんか飲んでないで加勢してくれよ」
やはり、一人で鬼神を相手にするのは、キツそうである。
「しょうがないでござるね」
ポピノヒーはやる気なさそうに、コーヒーの空き缶を山椒鬼に投げつけた。
ポコ
頭部に命中したが、当然ダメージは無い。
「おい、もっと真面目に戦えよ」
加藤は、イラついている。
「はいはい、真面目にするでござるよ」
しぶしぶ手裏剣を投げるポピノヒー。
ポトッ
しかし、山椒鬼まで届かず地面に落下した。
「何やってんだよ」
呆れる加藤。
「うるさいでござるな。もう、本気出すでござる」
ポピノヒーは呪文を唱え出した。
すると、ポピノヒーの衣装が変化して行き、ジャンバーに短パン、スニーカーといった普段の虎之助の姿に戻った。
「おい。それって、いつものお前じゃないか」
「そうでござるが、何か?」
返事をしながら虎之助は、バッグに入っていたお菓子を食べている。
「全然、本気出してねえじゃん!」
加藤が怒り出した。
「あとで出すでござる」
虎之助はルマンドを食べながら、ウザそうに答える。
ーームカつくけど、ちょっと美味そうだなーー
「ちょっと、そのルマンド俺にもくれよ」
「嫌でござる」
という具合に、鬼神と戦闘中でありながら、DSPの士気は著しく低下しているのでった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)