第76話

文字数 250文字

 水墨画の中に入ってしまったようだ。

 鹿の親子がいる。仔はまだ小さく、四匹も。
 無傷でつかまえたら懸賞金がもらえるらしい。

 鹿の仔の一匹を抱く。おとなしく抱かれている。
 母鹿が心配してうろうろしている。
 本当はこんなことをすると蹴られるはず。それに、鹿の子どもを抱くと、人間の臭いがついた仔を親鹿は棄てるという。
 うっすらと思い出しつつ、そのまま抱いている。

 褒められる。
 親子五頭、無事に保護された。


※子鹿を安易に抱くと、母鹿が育児放棄するのは本当です。
※全文、ほぼ起きてすぐ書いたメモのままです。

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