第145話

文字数 714文字

 今日の夢。
 病院の中かと思うと、街角。
 美味しそうな店が続き、私はいろいろ入っては、幾度も朝食を食べる。
 永遠に朝なのか。

 思い出した。一軒では、素敵なあんバターホットケーキに惹かれて、思いきって二度めの朝食を食べに入ったのに、席はせまいし煙草の煙は来るし、給仕のおばさんはぞんざいだしで、そのまま出たのだった。

 自分は成城学園前にいると思っているけれど、成城学園前ではない。
 通り沿いの喫茶店にいる。鉢植えとマホガニーの家具がたくさん。
 いつのまにか父がそばにいて、弟もいるらしく、二人ともゆっくりしていいよとウインクする。

 ところが、スマホが鳴って母から着信がある。
 しかも私は操作をまちがってメールを消してしまう。いま来たのだけでなく、いままでのも全部消してしまう。
 私たちは病院に戻っていて、私はさらにまちがったボタンを押して、一つの簡易ベッドをずぶ濡れにしてしまう。

 驚き慌てながら、なぜベッドの上にシャワーがあるのか、うっすらと疑問。

 母にはじきに会えたけれども、母の呼び出しに応えられなかったことがうしろめたい。
 母は無邪気に、読んでくれた? 面白かったでしょうと言っている。
 何が書いてあったのか。

 病院では、なにやら壮大なアニメの物語を、シーツを広げて作った白い山に人形を置いて再現していて、
 私は、意味があるのだろうかと思うのだけれど、
 父は楽しそうだ。
 父が楽しそうだから、

 私も、これに参加していると、さっきの喜ばしい街角につながる空気が吸えるような気がして、ひたすら人形を置いていく。

 それがまた、手袋で作ったような、どうにも手作り感満載な人形ばかりなのだけれども。


※このあたりから父が入院しました。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み