第17話

文字数 742文字

 夢で、私若くて、華丸大吉の華丸さん(どっちが華丸さんでどっちが大吉さんだったかいつもわからなくなっちゃうのだけど、目の大きいほうの人だから華丸さんだと思う)に、中華料理屋さんのテーブルの角の席で、プロポーズされている。
 華丸さん「そろそろ本気になろうと思って」だそうだ。
 嬉しいけれど、本気とも思えない。
(うわー、どうせ夢なんだから信じればいいのに私!)

 きゅうに変わって、私、巨大な図書館の中にいて、なんだかとても貴重な本を何冊か抱えている。
 もうじき閉館らしくて、館内放送でせかされ、カウンターへいそぎ足で向かいながら、抱えた本を見直し、一冊の薄くて大きい理系の論文集のはずなのにつまらない現代詩ばかり書かれた本は借りないことにして、通路わきのワゴンに立てかける。他は、十九世紀末の童話のようだ。

 その返してしまった本の白いレイアウトを思い出しながらゆるい階段を昇っていくと、
 漆喰とガラスできれいにリノベーションした屋根裏部屋に来て、

 誰か若いお嬢さんが花嫁衣装(うぐいす色の打掛)で手をついて泣きながら、いっしょけんめい弁明しているのを見る。
 どうやら、この期におよんで結婚を反対されているらしい。

 お嬢さんは親御さんたちの目をぬすんで、仲人の女性に話しかけるのだけど、流暢な沖縄ことばなので、仲人さんは自分に話しかけられていることにも気がつかないで背を向けている。
 私にも、彼女が何を言っているのか、ひとこともわからない。

 だいたい、私は誰で、なぜここにいるのだろう。
 花嫁さんが私に目くばせする。ええっ、私、何をしてあげることになっているの?

 そして、華丸さん、華丸さんは?


※文中の博多華丸さんはもちろん私の夢の中の博多華丸さんで、現実の博多華丸さんとは関係ありません。

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