第139話

文字数 385文字

 ひさしぶりに長い夢。あまりにリアルで、目覚めてもしばらく現実との境がわからなかった。

 またドイツにいるのだけれど、ビザがなく、いったん日本へ帰ろうとしている。でもそもそも出国できるのか。

 空港と思いきや、大きなリゾートホテルのような建物に、私たちは閉じこめられていて、
 津波が襲ってくる。
 ガラス張りの壁にチョコレート色の濁流が叩きつけ、また引いていく。

 私は落ちついて、建物の上層階の安全な場所に避難する。
 けれども逃げまどう人の中で真澄さんとはぐれてしまう。

 女湯なのか、女性しかいない一角。
 ともに濁流を逃れた中に、年下のマリンバ奏者がいて、私たちは恋仲になる。というより彼女に私は慕われて、応えようか迷う。
 応えられないと思う。

 彼女のマリンバの腕は抜群なので、惜しいと思いつつ、なだめて、少しだますようなかたちで私は彼女を離れ、真澄さんのもとに向かう。

 誰。

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