第38話

文字数 650文字

 今朝の夢。長かった。その最後の部分。
 バス停でバスを待っていたけれど、なかなか来なくて、歩きだす。
 レーゲンスブルクらしい。
 
 一区間歩き、町の外れのバス停まで来て、いったい何がしたかったのか。
 
 さっきのバス停からは29分(何時29分?)にバスが出るはずで、腕時計を見ると26分。戻ってそのバスに乗りたいけれど、3分では戻れない。ここもバス停なのだから、待っていればそのバスが来るかもしれない。でも路線が違うかもしれない。
 路線図と時刻表を確かめたいのに、どこにもない。
 そもそもどこに行きたいのか思い出せない。
 
 バス停の裏がちょっとした崖。
 見下ろすと犬の背中が見える。その犬、猫か何かに吠えついている。
 ここからは降りられないと思って私、歩きだす。
 
 山道のようになり、いちめんに澄んだ水たまりが広がっていて、よけて通れない。
 えいっと思って踏みこんだら、つるんと足をすべらせてあおむけに倒れ、背中がぜんぶ濡れた。
 もう私、どうでもよくなって、
 
 きゅうに雪山の尾根に出る。
 雪に覆われていない地肌は真っ赤で、血のよう。じっさい血らしい。
 完全にやけになって、もう一度わざとあおむけに倒れると、濡れた背中が今度は血にひたっていく。
 
 これは夢かなと思い、夢ならもしかしてお粗相をして背中が濡れちゃったのかな、と、あせって、目覚めようとするけれども、目覚められない。
 
 夢の中のまま、雪と血を踏んでふらふら歩いていく。
 かなたに稜線。
 空は青く澄みわたって絶景。

 
※粗相はしていませんでした。

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