第147話

文字数 268文字

 昼間、広々としたガラスケースにケーキをたくさん並べていた瀟洒(しょうしゃ)なパティスリーが、夜になって明かりを落とした。

 見ると、通りに面したガラスケースの、向かって左の端だけに灯りをともして、白服の若い女のパティシエールがひとり、人待ち顔に立っている。
 舗道に小さな立て看板を出して、コーヒーありますと書かれてある。

 私もきゅうにコーヒーが飲みたくなるけれど、その若いパティシエールを早く家に帰してやりたいとも思う。

 舗道はやけに広く、静かで落ちついている。
 私の背後でぽつぽつと街灯がともり始めた気配だ。


※全文、起きてすぐ書いたメモのままです。

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