第41話

文字数 355文字

 ロッカールームの続き。

 いつのまにか外に出ている。
 街角のくすんだ建物。
 若者たちが、○○(男の子)は○○(女の子)が好き、などとはやしている。はっきり聞こえているのに名前が聞きとれない。
 耳でなく、じかに頭の中に意味が響いてくる。

 私はその女の子(誰)を誘いに来ていて、彼女が働いている雑貨屋ののれんをくぐる。
 ところが今日は彼女、お休みらしく、いない。

 あきらめて道を歩きだすと、今度は私自身が囲まれ、からかわれてしまう。おまえ服を洗って乾かしていただろう、などなど。
 囲むのは声たちばかりで、姿はない。

 たあいなく、子どもの時間のようでありながら、そのじつ私が感じているのは、孤独と寂寥となにやら残酷な感じだ。

 彼女は本当にお休みなだけなのか。

 どこかに、回らない、小さな赤い風車が捨てられている気配。

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