第67話

文字数 293文字

 雨に濡れた森の、人気のない道ぞいの一軒家。
 焚き火の灰のような墨色に、木々も家もできている。
 道だけがほのかに白い。
 
 霧雨の中、家には入らず、濡れながら、人通りをうかがっている。
 私は誰なのか。
 私の他に数人いる。
 
 とっさに、一人の持っている布を取り上げる。そこに木か瀬戸物の白い小さな顔がついている。
 ティターニア、と名づける。
 そのあとはもう、ティターニアの長台詞だが、誰が喋るというわけでもなく、白い紙に文字が流れていくのだ。
 
 いつのまにか、真澄さんも現れて聞き入っている。
 霧雨の中、光を当てたら壊れそうな、もろいページなのだが。


※全文、起きてすぐ書いたメモのままです。

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