第140話
文字数 363文字
また大きな木づくりの建物に泊まっている。
広い川のほとりにあって、気候はヨーロッパのようで空気もさらさらしているのに、川をガンジスだと私が思っている。
ガンジスに来ているのだからちゃんと見ないともったいないということで、遊覧船に乗る。
小さな流線型の水中船らしい。
らしいと言うのは、乗ろうと思ったらもう船内にいたからよくわからないのだ。
水中から水面を見上げる。乗っている船が舳先で切り開いた部分だけ、透明な水が筋のように後ろへのびている。
その他の水は墨のように黒々と、壁となって左右から迫る。
しかも水底には無数の人骨。
私は目をつぶって見ない。いっしょに乗っている女の人(誰)が、見ないともったいないわよと言うけれど、とてもじゃないけど見られない。
モーターの振動は伝わってくるものの、音がない。
水の向こうは黄葉。
広い川のほとりにあって、気候はヨーロッパのようで空気もさらさらしているのに、川をガンジスだと私が思っている。
ガンジスに来ているのだからちゃんと見ないともったいないということで、遊覧船に乗る。
小さな流線型の水中船らしい。
らしいと言うのは、乗ろうと思ったらもう船内にいたからよくわからないのだ。
水中から水面を見上げる。乗っている船が舳先で切り開いた部分だけ、透明な水が筋のように後ろへのびている。
その他の水は墨のように黒々と、壁となって左右から迫る。
しかも水底には無数の人骨。
私は目をつぶって見ない。いっしょに乗っている女の人(誰)が、見ないともったいないわよと言うけれど、とてもじゃないけど見られない。
モーターの振動は伝わってくるものの、音がない。
水の向こうは黄葉。