第13話

文字数 762文字

 今朝の夢。
 外国の古い建物。壁は漆喰で、苔のようなタペストリーがかかっていて、私、そこに、知らない人たちとシェアして住んでいる。
 ドアで区切られていなくて、それぞれ一角を占有する感じ。

 私は入ってすぐの右奥。まだ家具はない。
 同じフロアに、じきに真澄さんも引っ越してくるらしい。

 外は、大塚四丁目に似ている。
 薔薇の鉢植えを育てているお家もある(お隣のクロキさんみたいに)。

 そこで何をしているかというと、知らない女の人が大きな網を持って、プードルのような犬をつかまえている。犬はおとなしくつかまるのだけれど、いつのまにか二匹になり、女の人も二人になっている。
 二人ともミナミさん(サラのお客様)に似ていて、しかも私は彼女(たち)を真澄さんのお母さんだと思っていて、しかもクミコちゃん(小学校の同級生でいちばんなかよしだった人)のお母さんだとも思っている。

 無事に犬がつかまったので、私たち、それぞれの部屋に戻る。
 知らない男性、中肉中背の勤め人ふうの男性も、私たちと同じフロアに住んでいるらしく、戻っていく。

 なぜか実家の居間とつながっていて、私は家族に、なぜ真澄さんなのかを説明している。
 いろいろあるけど、やっぱり体が合う。
 というのはじつにいいねと弟が大笑いする。

 私は、そういえば前の夫のときは、彼の生き方を応援したいとかどうのこうのとか精神論だったなあと思いだし、

 その文言が空中の大きなページに、教科書ふうの字体で印刷されているのを見る。

 それを、のれんをよけるようによけて靴をぬぎ、自分の部屋に入って
「帰ってきた」
とつぶやくと、ひどく幸福。

 真澄さんが、木枠のベッドなんかじゃなく、マットレスだけにしようよ、と言って笑う。
 そうね、すぐ帰るんだものね、と納得している私。
 どこへ帰るんだろう。
 でも、幸福。

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