第135話

文字数 460文字

 このところ毎朝、微熱で体のふしぶしが痛むような感じになって目覚める。これは苦しい。

 どこか田舎の、足もとがはっきりしないぬかるみだらけのような所で集団で働いていて、昼になった。
 一軒しかない食堂のテイクアウトのカウンターに、みんな並ぶ。

 主人は無愛想な中国の人で、書きなぐった貼り紙にいろいろと美味しそうなメニューが書かれているのだけど、並んでいるうちにそれが次々と売れて、()がされていく。

 ついに私の直前で、私がそれにしたかった「金銀花のスープ」が売れて剥がされ、私は絶望して、何を選んでいいかわからなくなる。
 次の人に、選べないから先どうぞと譲ると、譲られたほうもぼうぜんとしている。

 その瞬間、私は半分透きとおったようになった。
 そしてますます選ぶ列から置き去りにされていった。

 金銀花のスープは実在します。以前、大久保にあった、地下の台湾料理店の名物でした。金銀花というのはすいかずらの花のことで、風邪に効くという話でした。
 美味しくて、何度もかよったのに、こないだ前を通ったら別の店になってしまっていました。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み