オムライスじゃなくてケチャップライスだったよ
文字数 1,254文字
ケーキは小さいながらも様々な工夫がなされていた。先ずは、側面に綺麗に塗られた白いクリーム。上部には、可愛らしいサイズに絞り出された黄み掛かったクリーム。
そして、触れば壊れてしまいそうな飴細工に新鮮な数種類のベリー。王都の何処かで栽培しているのだろうか、ケーキに乗せられたベリーはみずみずしく、酸味も程良かった。
ケーキに小さなフォークを差し入れれば、薄紅色をしたクリームが顔を出す。このクリームは、上部に乗せられたクリームよりは硬く、流れ出て皿を汚すことはない。
また、クリームの中には、咀嚼するとヒンヤリとする粒が混ぜられており、スポンジの軽さとクリームの甘酸っぱさの後で口内が冷やされる。とても、工夫のなされたケーキだった。