なんやかんやはなんやかんやです!
文字数 966文字
この為、男性の様子を見たザウバーは、難しそうな表情を浮かべて手を止める。そして、彼は大きな溜め息を吐くと、静かにしゃがみ込んだ。ザウバーは、苛立ちを発散させるように頭を掻くと、視線を前へ向けた。彼の眼前には、冷たく無機質な鍵穴が有り、その穴の下にはうっすらと文字が刻まれている。ザウバーは、刻まれた文字に気付くなり、その文字へ指を這わせた。
「Mの13」
鍵束を持ち上げると、ザウバーはその中から一つの鍵をつまみ上げ、目を細めて調べ始めた。その鍵には、小さく「M―27」と刻まれており、それを確認したザウバーは力強く立ち上がる。それから、彼は一つ一つの鍵を調べていき、十数は調べた後で手を止める。その際、ザウバーが調べていた鍵には「M―13」という文字が小さく刻まれていた。
まあ、手って切れる血管によっては止血しにくいですし。
と言うか、大学の時に割れたガラスで切った時は、手を心臓より上にしても中々止まらなくてねえ。
いやはや、あの時はどうしようかと(柔らかい部分を切ったからか、傷痕は残っていない)思いましたもの。