王薈王蘊 酒を語る

文字数 543文字

お酒について
語っている人はこれまでもいた。

この世代でもふたりが語っている。
ふたりのエピソードらしいエピソードも
ほぼこれだけなので、
一緒に紹介してしまおう。


まずは王蘊(おううん)王恭(おうきょう)の父だ。
かれは言っている。
「酒は私を遠き境地に
 連れていってくれる」と。


また王導(おうどう)さまの末っ子、王薈(おうわい)
かれは言う。
「酒は人に素晴らしい
 景色を見せてくれるよな!」と。



王光祿云:「酒,正使人人自遠。」
王光祿は云えらく:「酒は正に人人をして自ら遠からしむ」と。
(任誕35)

王衛軍云:「酒正自引人箸勝地。」
王衛軍は云えらく:「酒は正に自ら人を引きて勝れる地に箸けん」と。
(任誕48)



王蘊
蘭亭会に参加する人物で王蘊之(おううんし)がいたりするこの人のことなんじゃねえかなあ、と思わないでもない。この人自身もそれなりの名士で、娘を皇帝に嫁がせているわけで、まぁすごくないわけはないはずなのだが、いまいち目立ってこないよねえ。

王薈
世説新語での扱いがだいぶザコ的。載ってるだけましと言う感じではあるんだろう。けど鎮軍将軍みたいな顕位に登ってるんだよなあ。なお息子の王廞(おうきん)が反乱を起こして劉牢之(りゅうろうし)にブッ叩かれて逃亡し、孫の王華(おうか)劉宋(りゅうそう)黎明期のきな臭さにもろ関わってる。王薈本人もきっと面白い人なのだろうが、系譜が琅邪(ろうや)王氏の闇って感じがして素敵である。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み