桓温16 王敦、悪くないね

文字数 276文字

桓温(かんおん)さま、移動の最中に
王敦(おうとん)の墓近くを通った。

流れゆく景色として墓を眺めながら、
桓玄さまは呟くのだった。

「まぁ、アイツもそれなりだよな」



桓溫行、經王敦墓邊。過望之云:「可兒、可兒。」

桓溫の行けるに王敦が墓の邊を經る。過ぎりて之を望みて云えらく「可兒なり、可兒なり」と。

(賞譽79)



タイミング次第でいくらでも解釈が変わるエピソードである。一応前後からすれば謝安(しゃあん)さまの出仕前だから、桓温さまが簒奪に動かざるを得なかったタイミングではない。

それとも世説新語は、「初めから桓温さまは簒奪狙いだった」論者なのかなー。この辺りは変に決め打ちすると火傷するアレですね。
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