王敦4  周顗と王敦2

文字数 394文字

王敦(おうとん)が反乱軍を率いて西進、
石頭(せきとう)城を占拠した時のことだ。

王敦の侵攻を止められず、
あえなく敗北した周顗(しゅうぎ)さん、
石頭城に出頭する。

王敦は言う。

「そなたは何ゆえに敗北したのであろうな」

周顗さんは答える。

「貴公が軍勢で正義を捻じ曲げたので、
 私は畏れ多くも陛下より軍権を賜り、
 六軍を率いた。

 だというのに、かれらが
 満足な戦働きをしなかった。
 故に私は、貴公に敗北したのだ」



王大將軍既反,至石頭,周伯仁往見之。謂周曰:「卿何以相負?」對曰:「公戎車犯正,下官忝率六軍,而王師不振,以此負公。」

王大將軍の既に反せるに、石頭に至らば、周伯仁は往きて之に見ゆ。周に謂いて曰く:「卿は何をか以て相い負けたるか?」と。對して曰く:「公が戎車は正を犯したるに、下官は忝くも六軍を率いたれど、而して王師は振るわず、此を以て公に負く」と。

(方正33)



まって。
周顗さんまって。

それ総大将が
一番言っちゃいけないセリフ。
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