王導30 王葛と驢馬

文字数 497文字

諸葛恢(しょかつかい)王導(おうどう)さまが、
お互いの家格の高低について口げんか。

何やってんのアンタら……

ともあれ王導さまは言う。

「葛王の順でひとは言わんだろう。
 言うときには必ず王葛。
 これだけでも高低は明らかではないか」

諸葛恢は返す。

「何を言っとるのだ、
 其方は驢馬を馬驢と呼ぶのかね?
 ロバは馬より優れた動物である、
 などと其方は論じられるのか?」


 
諸葛令、王丞相共爭姓族先後。王曰:「何不言葛王、而云王葛?」令曰:「譬言、驢馬不言馬驢。驢寧勝馬邪?」

諸葛令と王丞相とは共に姓族の先後を爭う。王は曰く「何ぞ葛王と言わず王葛と云いたるか?」と。令は曰く「譬わば驢馬と言いて馬驢と言わざるがごとし。驢は寧んぞ馬に勝らんや?」と。

(排調12)



諸葛恢
諸葛誕(しょかつたん)の孫。つまり諸葛亮(しょかつりょう)諸葛瑾(しょかつきん)から見れば従兄の孫となる。このひとまでは何とか諸葛氏の名前も高かったのだが、この後一気に家格が落ちて行く。まぁこんなクソみたいな返ししてるようじゃなぁ……というのは、身勝手な後世人的観点ですね。
つーか諸葛瑾が驢馬っぽい顔つきだった、って辺りから引っ張ってくるとまた趣があってよい。諸葛瑾系、頭のいいバカこと諸葛恪(しょかつかく)のお陰で没落してるだろうし。
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