劉伶1  全裸オヤジの矜持

文字数 511文字

劉伶(りゅうれい)は身長が 140㎝ あまり、
その顔つきも甚だ醜かったが、
常に悠々とした振る舞いでおり、
自らの身体を土か木のようなものだと
見做していた。


どんな感じだったかと言うと、まっぱ。
家の中にいる時、酒を飲みながら、全裸。

やばい。

おいお前キチガイかよ、
ある人が劉伶をからかった。

すると劉伶は言う。

「俺は天地を家、家をふんどしとしている。

 なんで貴方がたは、
 俺のふんどしの中に潜り込んできた?」

いやいや……。



劉伶身長六尺,貌甚醜悴,而悠悠忽忽,土木形骸。
劉伶が身長は六尺、貌は甚だ醜悴なれど、悠悠忽忽として、形骸を土木とす。
(容止13)

劉伶恆縱酒放達,或脫衣裸形在屋中,人見譏之。伶曰:「我以天地為棟宇,屋室為(巾軍)衣,諸君何為入我(巾軍)中?」
劉伶は恆に酒の放達なるを縱とし、或いは衣を脫ぎて裸形にて屋中に在り、人の見ゆるに之を譏る。伶は曰く:「我、天地を以て棟宇と為し、屋室を(巾軍)衣と為したり。諸君は何ぞ我が(巾軍)中に入れるを為さんか?」と。
(任誕6)



劉伶
ただの変態なのだが、沛郡劉氏はれっきとした名家である。竹林七賢って全員がトップ名家の出であり、そう簡単に「ただの変態の集まり」と切り捨てるわけにはいかんのですよね。
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