謝万5 悪くない謝万
文字数 539文字
あるひとへの手紙の中で評されている。
「ずいぶんやつの文章も
いいもんになってきたね。
あそこまでになるのは、
そうそう容易い事じゃないよ」
まぁ、才能はあった人のようだ。
なので
謝氏の若年たちの集いにて
こう
「謝万はな、後世の名声を
独り占めする男だぞ!」
それを聞いた
すかさずあきれ顔でツッコんだ。
「万叔父さん、全然謙虚じゃないですよ。
絶対部下の恨み買います。
後世の名声だなんて、そんな、まさか」
殷中軍與人書,道謝萬「文理轉遒,成殊不易」。
殷中軍は人に書を與え、謝萬を「文理は轉遒たり。成りたるは殊に易からず」と道いたり。
(賞譽93)
謝太傅謂子姪曰:「中郎始是獨有千載!」車騎曰:「中郎衿抱未虛,復那得獨有?」
謝太傅は子姪に謂いて曰く:「中郎は始め是れ千載を獨有せん!」と。車騎は曰く:「中郎が衿抱は未だ虛ならず、復た那得ぞ獨有せんか?」と。
(輕詆23)
全く、
いいかい、謝万がこけたせいで、
謝安さまは出仕した。
出仕せざるを得なくなったんだ。
「おい謝万、マジで頑張ってくれよ、
でなきゃオレが
頑張んなきゃいけなくなる」
って言う謝安さまの心の悲鳴、
どうやら君には
聞こえなかったようだな?