王敦11 福に非ざるを

文字数 389文字

陳述(ちんじゅつ)と言う人がいた。
穎川(えいせん)陳氏、つまり陳羣(ちんぐん)陳泰(ちんたい)の系列の人だ。

かれは王敦(おうとん)の部下となり、
非常に寵愛されたのだが、
はやくに亡くなった。

その葬式に、同じく王敦の部下であった
郭璞(かくはく)がやってきて、大いに嘆き悲しんだ。

郭璞は言う。

「だが、陳述どのよ。
 あるいは幸運やもしれんな!」


それから間もなくして王敦は反乱。
また、郭璞は殺された。



陳述為大將軍掾,甚見愛重。及亡,郭璞往哭之,甚哀,乃呼曰:「嗣祖,焉知非福!」俄而大將軍作亂,如其所言。

陳述は大將軍が掾と為り、甚だ愛重さる。亡ぜるに及び、郭璞は往きて之に哭せること甚だ哀にして、乃ち呼びて曰く:「嗣祖、焉んぞ福に非ざるを知らんか!」と。俄にして大將軍の亂を作さば、其の言いたる所が如し。

(術解5)



すっげえ、本文、一番美味しいところ隠してる。「郭璞が王敦に殺された」ことをもって完成する条ですよね明らかに、これ……


陳述
何を陳述したんでしょうかね?
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