王献之5 王羲之の息子たち

文字数 594文字

王羲之(おうぎし)の息子たちのうち、
王徽之(おうきし)王操之(おうそうし)王献之(おうけんし)の三人が
謝安さまの元を訪れた。

ここで上二人はくだらないことを
ピーチクパーチクと囀り、喧しい。
だが一番下の王献之は、
時節の挨拶以外は特に喋らない。

さて、三人が辞した後、
同席していた別の客が
謝安さまに質問した。

「あの三人は皆
 なかなかの切れ者のようですが、
 公はどの者が最も勝っているよう
 思われましたか?」

「王献之だな」

「それは又、何故にです?」

易経(えききょう)繋辞伝(けいじでん)下にもあるだろう。
 良き人の口数は少なく、
 粗忽者の口数は多い、と。

 そこから引けば、おのずとわかることだ」



王黃門兄弟三人俱詣謝公,子猷、子重多說俗事,子敬寒溫而已。既出,坐客問謝公:「向三賢孰愈?」謝公曰:「小者最勝。」客曰:「何以知之?」謝公曰:「吉人之辭寡,躁人之辭多,推此知之。」

王黃門ら兄弟三人は俱に謝公に詣で、子猷、子重は多く俗事を說き、子敬は寒溫せるのみ。既に出づれば、坐せる客は謝公に問うらく:「向きの三賢は孰れかが愈きか?」と。謝公は曰く:「小なる者が最も勝る」と。客は曰く:「何をか以て之を知らんか?」と。謝公は曰く:「吉き人は之れ辭寡なし、躁なる人は之れ辭多し、此を推して之を知る」と。

(品藻74)



王操之
つらいなぁ……なんかぱっと見だと謝安さまこのひと狙い撃ちしたみたいに見えんじゃん……まぁ、しかたないですね。たぶん兄貴並みにウザ絡みキャラだったんだろうなあ。
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