桓温39 一事が万事
文字数 426文字
彼に供されていた蒸しニラが、
どうにもうまく解けてくれない。
明らかに困っているのだが、
周りの者はみな助けようとしない。
それどころか、その必死な様子を見て、
みんなして笑いだす始末。
この様子を見て、桓温さまは言う。
「同じ皿を分け合う者すら
助けられんのか。
これは、危難が迫った時のことなど
想像するだに恐ろしいな」
そしてこのことを皇帝に奏上、
笑った者たちをみな解雇した。
桓公坐、有參軍椅。烝薤不時解。共食者又不助、而椅終不放舉。坐皆笑。桓公曰:「同盤尚不相助、況復危難乎?」敕令免官
桓公の坐に椅なる參軍有り。烝したる薤の時に解きえず。共に食せる者は又た助けず。椅は終にして放舉せず。坐は皆な笑う。桓公は曰く「盤を同じうし、尚お相い助けざる。況や復た危難にてをや?」と。敕し官を免ぜしむ。
(黜免4)
桓温さまのこれは断腸と同じ枠で語られる感じですよね。一本筋の通ったイイ男と言う感じがします。