簡文10 ドッキリ大作戦

文字数 525文字

桓温(かんおん)さまが仕掛けた
ドッキリのお話である。

桓温さまが、司馬昱(しばいく)さまと、
その兄上である司馬晞(しばき)さまと一緒に
輿に乗り、移動していた。

ここに仕掛け人が登場。
前後を挟み、大騒ぎする!
太鼓を叩き、ブンガドンガ。

この事態に、輿に乗った者たちや
周りの者たちは恐慌状態に。
桓温も慌てたふりをした。

司馬晞に至っては
「ぼくもう降りる!」
と大騒ぎし始める始末。

だがそのような中にあり、
司馬昱は泰然自若。

この司馬昱の様子を、
のちに桓温はこうコメントしている。

「朝廷にも、
 このような賢者がいるのだな」




宣武與簡文、太宰共載。密令人在輿前後、鳴鼓大叫。鹵簿中驚擾。太宰惶怖求下輿。顧看簡文、穆然清恬。宣武語人曰:「朝廷間故復有此賢。」

宣武は簡文、太宰と共に載る。密かに人をして輿の前後に在らしめ、鼓を鳴らしめ、大いに叫ばしむ。鹵簿が中は驚擾す。太宰は惶怖して輿より下りんと求む。顧みて簡文を看れば、穆然として清恬たり。宣武は人に語りて曰く「朝廷の間、故より復た此の賢有り」と。

(雅量25)



司馬晞
頭は良くなかったが武才有り、と言う評価である。後々桓温によって誣告され左遷される。桓温は簡文帝を推戴した後、司馬氏の宗族を粛清して回っている。このひとの周りもいろいろキナ臭そうで良いですね。
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