荀勖1  中書監と中書令

文字数 618文字

武帝(ぶてい)の時代、荀勖(じゅんきょく)中書監(ちゅうしょかん)になり、
和嶠(わきょう)中書令(ちゅうしょれい)になった。

中書は皇帝の秘書的存在。
上奏の事前チェックだとか、
詔勅の内容確認だとかする。
ヤバい権力に繋がる役職。

で、中書監がボス、令がサブ。

この人たちが公務で外出する時、
同じ車に乗って移動するのが常だ。

が、和嶠、清廉なくちなので、
とにかく荀勖の、上役に媚び諂うような
態度が気に食わない。
同じ空間にいるのすら
反吐が出るレベルだったみたいだ。

なので、移動が発生した時、
和嶠はさっさと車に乗り込み、
前向きに座った。

前向きて。
上座ですよそっち。

上役として荀勖、
下座に座るわけにもいかない。
なので仕方なく、
別に車を調達することになった。

監と令とに別々の車が
充てられるようになったのは、
これが発端です。



晉武帝時、荀勖為中書監、和嶠為令。故事、監、令由來共車。嶠性雅正、常疾勖諂諛。後公車來、嶠便登、正向前坐、不復容勖。勖方更覓車、然後得去。監、令各給車自此始。

晉の武帝の時、荀勖は中書監と為り、和嶠は令と為る。故事には、監、令は共に車すと由來せる。嶠の性は雅正にして、常に勖の諂諛なるを疾む。後に公車の來たるに、嶠は便ち登り、正に前に向かいて坐し、復た勖を容れず。勖は方ち更に車を覓め、然る後に得て去る。監、令に各おのの車を給せるは此より始まる。

(方正14)



言っていいですか?
そんなん慣例にすんなバカ。

いや和嶠さんのこの直剛ぶり好きですけどね。武帝陛下にも平然と皇太子だめですとか言っちゃうようなあれだし。
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