曹操4  梅は、酸っぱい。

文字数 405文字

曹操(そうそう)軍、遠征中のこと。

うっかり水場を見失ったため、
誰も彼もがのどの渇きに苦しんだ。

そこで曹操が言う。

「おい、もうすぐ梅林に辿り着くってよ!
 きっといっぱい梅の実があるぞ、
 ほら、あの甘酸っぱさ!
 あれで喉を潤せるんだ!
 想像するだけでたまらんよな!」

兵士たちの口に、
たちまち涎がにじみ出る。

当面の危機を突破した曹操さまの軍は、
そっから進軍して、
何とか水源に辿り着くのだった。



魏武行役,失汲道,軍皆渴,乃令曰:「前有大梅林,饒子,甘酸,可以解渴。」士卒聞之,口皆出水,乘此得及前源。

魏武の役を行くに、汲道を失い、軍は皆な渴う。乃ち令して曰わしむらく:「前に大なる梅林有り、子饒くして甘酸なれば、以て渴えを解すべし」と。士卒は之を聞き、口に皆な水を出だし、此れに乘じて前源に及ぶを得る。

(假譎2)



「すっぱいものを想像すると涎が出る」。
人間の特性を利用するわけだ。
でも嘘なんだなぁ、これが、とゆう。
まあ結果オーライ。
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