桓温36 慰める気ナシ
文字数 661文字
かれの母の兄弟は、
叔父と甥なだけあり、
桓嗣と王混は似ていた。
だが桓嗣、それがすっごく嫌だ。
まあまあ、と桓温さま、
なだめるように言う。
「言うほど似てはおらんだろう。
まぁ、時々は似ていると
感じる時もあるがな。
外見はもうやむを得まい。
が、メンタリティについては、
本当に時々、で済んでいるぞ」
いや時々もなにも
似てんのが嫌なんですってば
このクソ伯父上。
全然なだめる気ねえなこのオッサン。
桓豹奴是王丹陽外生、形似其舅。桓甚諱之。宣武云:「不恆相似、時似耳。恆似是形、時似是神。」桓逾不說。
桓豹奴は是れ王丹陽の外生たれば、形は其の舅に似る。桓は甚だ之を諱む。宣武は云えらく「恆には相い似たらず、時にして似たるのみ。恆にして似たるは是れ形、時にして似たるは是れ神なり」と。桓は逾いよ說ばず。
(排調42)
桓嗣
桓氏一門の中でもかなり優秀な口のひと、だが目立ってない。とにかく目立たない。兄弟の
王混
丹陽尹から、更には死後太常を追贈されてるってことは半端ない人ではあるんだろう。っが、この偉大なる甥どのには物足りない方だったのかなあ。なお息子の