郗超11 范啓はクソ1

文字数 453文字

范啓(はんけい)郗超(ちちょう)に手紙を書いている。
簡文(かんぶん)さまの前で王坦之(おうたんし)とじゃれ合った人だ。

王献之(おうけんし)の振る舞いには
 彩りというものが欠けているとは
 思わんかね、なぁ?

 あれでは一皮むいたところで、
 その内側に潤いなど
 あったものでもあるまい」

すると郗超、返事する。

「かもしれんな。
 ところでそれは振る舞いが
 せせこましく、こざかしい奴と較べて
 どうなんだろうな?」

范啓の性格が傲慢で、
しかもいろいろこざかしいのを
嘲ったのだ。



范啟與郗嘉賓書曰:「子敬舉體無饒縱,掇皮無餘潤。」郗答曰:「舉體無餘潤,何如舉體非真者?」范性矜假多煩,故嘲之。

范啟は郗嘉賓に書を與えて曰く:「子敬が舉體に饒縱無し、皮を掇かば餘潤無し」と。郗は答えて曰く:「舉體に餘潤無かりせるは、舉體の真に非ざる者とで何如?」と。范の性の矜假なるに煩の多かれば、故に之を嘲くる。

(排調50)



范啓さん、悪口しか言ってねえなこの人。

ちなみに謝安さまが王坦之パパの王述(おうじゅつ)について「掇皮皆真」と言っているところから引くと、范啓さんが太原(たいげん)王氏派だったんだな、というのが見えてくる。
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