戴逵1  ゲージツカの器

文字数 468文字

画家の戴逵(たいき)が東方から出てきた、という。
ほほう、ちょっくら会ってみましょかね。
謝安(しゃあん)さま、戴逵に会いに行く。

元々謝安さま、戴逵のことを軽んじていた。
だから会っても経世済民のことなどでなく、
音楽のこと、文学などのことばかり。

が、戴逵、そんな謝安さまに対し、
いやな顔ひとつせず付き合う。
しかもその論旨ははなはだ精妙。

おおう、こりゃ凄い人もいたもんだ。
謝安さま、戴逵の器に感心するのだった。



戴公從東出,謝太傅往看之。謝本輕戴,見但與論琴書。戴既無吝色,而談琴書愈妙。謝悠然知其量。

戴公は東より出で、謝太傅は往きて之を看る。謝は本より戴を輕んずれば、見ゆるに但だ琴書を論ず。戴は既にして吝色無く、琴書を談ずるに愈いよ妙たり。謝は悠然として其の量を知る。

(雅量34)



戴逵
文学、彫刻の方面でもすさまじい腕前を誇った、当代のレオナルド・ダ・ヴィンチ。権力を嫌い、孝武帝(こうぶてい)から逃げて王珣(おうしゅん)謝玄(しゃげん)に庇護されていたりする。あと王濛(おうもう)に画才を褒め称えられていたり。まぁ、何と言うか、すごい人である。作品はぜんぜん残ってないが。

つーか謝安さまがどこまでもウエメセで笑う。
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