王述7  烈火のせっかち

文字数 568文字

王述(おうじゅつ)はせっかちなことで有名だった。

例えば、卵を食べようとしたとき。

箸で刺そうとしたら、失敗。
トゥルンと横に転がる。

キレる。

手でつかみ、床にぶん投げる。
そしたら丸いもんだから、
コロコロ、と転がっていく。

ムカつく。

踏んづけようとして、失敗。
トゥルンと横に転がる。

更にキレる。

拾って、口の中に放り込む。
噛み砕くと、ペッと吐き出した。


この話を聞いて大爆笑したのが、
王羲之(おうぎし)である。

「奴の父上、王承(おうしょう)様に
 そんな性分があったとしたならば、
 とてもではないが名声なぞ
 博せたものではなかったろう。

 まして王述、王述だぞ?」



王藍田性急。嘗食雞子,以箸刺之,不得,便大怒,舉以擲地。雞子於地圓轉未止,仍下地以屐齒蹍之,又不得,瞋甚,復於地取內口中,齧破即吐之。王右軍聞而大笑曰:「使安期有此性,猶當無一豪可論,況藍田邪?」

王藍田が性は急なり。嘗て雞子を食すに、箸を以て之を刺し、得ざらば、便ち大いに怒り、舉げて以て地に擲す。雞子の圓きにて地を轉じ未だ止まらざるに、仍ち地に下りて屐齒を以て之を蹍み、又た得ざらば、甚しく瞋り、復た地より取りて口中に內れ、齧り破りて即ち之を吐く。王右軍は聞きて大いに笑いて曰く:「安期をして此の性有らしむらば、猶お當に一豪なるを論ずるべかる無し、況や藍田をや?」と。

(忿狷2)



せっかちって言うかwwwwwww
もうねwwwwww
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み