康僧淵1 康僧淵デビューす

文字数 557文字

鼻が高い康僧淵(こうそうえん)は、はじめ建康(けんこう)に出た時、
知り合いが誰もいなかったため
托鉢して回って食いつないでいた。

ある日康僧淵、殷浩(いんこう)さんのお宅を訪問。
その時、ちょうど殷浩さんの家には
たくさんの客が詰め掛けていた。

そんな中でも殷浩さん、
康僧淵を座に招き、挨拶もそこそこに
清談をスタートする。

唐突に吹っかけられた清談ではあったが、
そこは康僧淵。王導(おうどう)さまだって
ぎゃふんと言わせる機知の持ち主だ。
殷浩さんと堂々と渡り合う。

しかも、その言辞は簡にして要。
少ない言葉でたちまちのうちに
物事の本質を突く語りぶり。

こうして康僧淵、あっという間に
有名人になったのだそーな。



康僧淵初過江,未有知者,恆周旋市肆,乞索以自營。忽往殷淵源許,值盛有賓客,殷使坐,麤與寒溫,遂及義理。語言辭旨,曾無愧色。領略麤舉,一往參詣。由是知之。

康僧淵の初に江を過ぐるに、未だ知る者有らずば、恆に市肆を周旋し、乞索を以て自營す。忽て殷淵源が許に往かば、賓客の盛んに有せるに值う。殷は坐せしめ、麤く寒溫を與え、遂には理の義に及ぶ。言辭は旨を語り、曾て愧づる色無し。領略を麤に舉げ、一に往きて詣に參る。是の由にて之を知らる。

(文學47)



張慿を思い出す。そのトーク一本で支援を勝ち取った人たち。うーん、トンジンドリーム。ただまぁ、超絶なトークスキルがなきゃ無理だったろうけどw
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