王濛7  王劉と謝安2

文字数 715文字

当代トップの文人として讃えられる、
劉惔(りゅうたん)王濛(おうもう)、そして謝安(しゃあん)
彼らのまじわりを眺めてみよう。


未だ謝安さまが元服を迎えていなかった折、
王濛の元に訪問、清談を交わした。

謝安さまが帰った後、息子の王脩(おうしゅう)が問う。

「先ほどの来客、父上と較べて
 いかがでしょうか?」

王濛も答える。

「全くもって精勤、と言うしかあるまい。
 よくもまあ、この私に臆しもせず
 迫りくることよ」


さて王濛と清言を交したその帰り道、
博打に手を出した謝安さま、
ボロ負けし、牛車の牛を巻き上げられた。

なので杖をつき、とぼとぼと
徒歩で帰途に就いていた。

そこに通りかかったのは妻の兄、劉惔。
何やってんだよ、と問う劉惔に言う。

「おれだって、やられることはあるさ」

苦笑した劉惔、謝安さまを車に乗せ、
自宅まで送るのだった。


 
謝太傅未冠,始出西,詣王長史,清言良久。去後,苟子問曰:「向客何如尊?」長史曰:「向客亹亹,為來逼人。」
謝太傅の未だ冠ぜざるに、始めて西に出で、王長史を詣で、清言を久しう良くす。去りたる後、苟子は問うて曰く:「向きの客は尊とで何如?」と。長史は曰く:「向きの客の亹亹たるや、來たりて人に逼れるを為す」と。
(賞譽76)

謝安始出西戲,失車牛,便杖策步歸。道逢劉尹,語曰:「安石將無傷?」謝乃同載而歸。
謝安の始めてめて西に出で戲びたるに、車の牛を失い、便ち杖して策步し歸す。道にて劉尹に逢い、語りて曰く:「安石、將た傷うこと無からんや?」と。謝は乃ち同載し歸る。
(任誕40)



王脩
王濛の息子の中で一番目立たない人。と言うか検索かけるとみんなして三国志三国志言うからこの人本当にかわいそう。嘘ですゲラゲラ笑ってます。著した本『賢全論』は世に讃えられた、とのことらしいですけどね。
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