第140話

文字数 1,370文字

 大好きな女の子が会社をやめて2か月
まだ2か月
 散乱した会社の書類に、送信、受信メール、会社の携帯のlineにも、
彼女の足あとは確かに残っている。声も同時に蘇る。
 でも、彼女の名前を口にする人間は、もういない、、、僕以外
組織ってそんなものなのかな
 代わりに新しく入ってきたメンバー2人の名前を毎日耳にする。
僕にしたらその情報、どうでもよい。
 年末、電話して、「また来年!」という僕に、彼女、「えっ、ちょっと待って、もう帰るの?」
いったい何があるんだ、年末ぐらいぐ~たらさせてくれ~、と思った僕がいました。
 彼女、本当にこの会社にいたんだろうか。。と僕の頭ですらが、時々?になる
でも、きちんと、メールも、ラインも、彼女の作った書類も、残っている。
2か月前まで、確かにいたんです
彼女の文面、
「かしこまりました」
「お疲れ様です」
「どゆことですか」
「そーゆーことですか」

 あまりの周りの変わりように、気化してしまいつつある彼女の存在。
さみしいものです。

 でも、僕は、僕に関しては!、君に助けてもらったこと、仕事を何から何まで手伝ってもらったこと、怒られたこと、ふてくされた君の顔、僕がいる後ろの方に頭だけ倒し、大きな目を見開いて、僕の目をじっとみていたこと、ストーブで缶コーヒーを爆発させたこと、考え事をする君の姿、助け舟をだすと、駐車場で深々と僕に頭をさげる君の姿、両手で手をふる君の姿、早く仕事をしろと、僕を追い立てる君のこと、年齢的に知るはずもない、SPEEDのWHITE LOVEを事務所で口ずさむ君のこと、操作がわからないと携帯を渡した僕の個人携帯携履歴をチェックしたり、僕が席を外し、携帯をとりに帰ると、裏返しに携帯を置いた僕の携帯を、じ~っとみつめていて、僕に「こらっ」と怒られた君の姿、僕が携帯をいじっていると、上から電話帳をを眺めていた君の姿。僕の電話帳の何がそこまで気になっていたのか、未だにわからない。
 会社終わったあとの、君の電話の声が、やたらに色っぽかったのだけは、覚えている。
もう。。。色気やめて!と思っていた。電話を切る気にならなかった。
心が溶けそうな話し方を、奴はしっていて、それを実行してきた。
 僕は、君に僕の携帯を渡すのをやめました。だって、何もないのに、チェックしている君の姿を横でみているのは、やっぱり、、、悲しかった。なにがきになるのか、聞けなかった僕も不甲斐なく。。
 僕が腕時計を新調したとき、必死で覗き込む君に、「無くしたから自分で新しく買ったんだよ、全日空のコラボ時計!ほらっ」って、僕に言わせた君のこと。宮内庁をみやうちちょうと読んだ君のこと、、、
君の笑顔を綴れば、きりがありません。

 始めて二人で車に乗った時の落ち着きがなさすぎる君のことをみて、実は僕、笑いを必死でこらえていました。
 書類を両手で抱きしめて助手席窓の外を見続ける君が助手席にいました。背中には明らかに
「どこにいくんでしょ」と書いてありました
会社の車で、会社の駐車場で何をするわけがないんですけどね・・・

悪いことも良いこともぜ~~~~~~~~~~~~~んぶ、
 僕は、忘れていません。

僕の今度の車はヴェゼルまでのつなぎ、、、。
日産の軽です。 

今度会う時、僕はカウンセラーの資格を背中にしょっているでしょう
変わった僕をみてみてください




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