第205話

文字数 475文字

性病について書く。
僕もAIDSの検査を受けたことがある。30代前半だった。
家に帰って吐き気が止まらず、匂いが鼻についていた。唾を吐いてもはいてもはいても
何も食べ物を受け付けず、1日以上気分が悪かった。挙句の果てには
女性に部屋で襲われて1週間後、高熱にうなされた。

頭が真っ白。朝から晩までAIDSのことを調べる。
性欲のために仕事や今までの生活を失いたくないと、心から思った。
体がみるみる蝕まれていったらどうしようって。
ラッキーなことに、何度検査を受けてもネガティブ。数年後違う手術をするのに血液検査を
したが、これも問題なかった。
僕は罹患していない。梅毒にもなっていない。

僕の机の引き出しには血液型RH-友の会のカードが入っている。
母がマイナスであってほしくないと、何度も調べなおした足跡だ。
親がいて親戚がいて友人がいて同僚がいて。

目先の金のために体を売るのってどうなのかな。

同級生のお母さん、朝4時に仕出しの仕事にでかけ、昼はパートでその男性を育てた。
シングルマザーだ。
彼の日記は作品集に残っている。

どっちがかっこいいってぼくから見れば、断然、後者です

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