第221話

文字数 864文字

どうにもこうにも、好きな人に会えない。
今度は県外へ研修に行ってしまった。
行く前にご飯にさそうか、相当悩んだが、彼女はプライベートを大事にする。
今はタイミング的によくない、、、と僕は判断したのはよいが、
寂しくて寂しくて近くにいないと寂しくて仕方がない。
今から県外で頑張ろうとしている彼女に
いいたくはなかった。。さみしいと。でも、正直に気持ちを伝えようと
思った。

彼女とのLINEはこれで終わってる
              略
「今から、仕事へいってきます」
「いってらっしゃいませ」
「はい」

彼女が僕のいる県へ帰ってくるまで、この文面は、このまま大事にしておこうと思う。
僕に、いってらっしゃいを言ってくれるのは、彼女だけ。

ということで、僕は日曜の明日も会社へ向かう。

ただ、彼女は食べていくための技術を磨きに県外へでている。
個人事業主を見据えてのことだろう。
彼女が帰ってくるまでに、僕は僕で道をつくっておかないと、
今度こそ三行半をつきつけられるだろう。
正直、だいぶん焦っている。

でも、君に伝えるよ。君が会社にのこしていった私物のクッション、
上履き、ひざかけ、などなどを、僕は会社からすべて持ち帰った。
そう、先は長くはない。会社の在庫合わせもアルバイトの人に毎日入ってもらっている。
会社が、僕をひきとめる理由がある、
僕に辞めてほしくないことも、上司がわからないところで、手を尽くし、配慮
してくれていることも、
ぜ~~~~~~~~~~んぶわかっている。
でも、僕は、しんどい時に、せいいっぱい僕を支えてくれた
君一人の人生のほうがどうしても大事。
君の見た目に惹かれる男性は多いだろう。
エロいことを考える男も多いだろう。
でも、僕は知っている、君は生き方にめちゃくちゃ厳しい。
2年前、「客先、かっこよい人いた?」ときくと、目が変わった君の顔を
忘れることはない。殴られなくてよかった・・・。

僕は、残りの人生を歩きたいと素直に思っている。
僕は人を裏切る心の冷たい人間だけど、君は人を裏切らない。

僕でよければ近くに居させてください、僕は常にそう思っています。
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