第11話

文字数 1,248文字

 遡って学生時代の話からする。
 西田ひかるさんの大ファンで、英語を勉強、彼女の英語が聞き取りたかった。めでたく、
語学を活かして食べていけるご身分になった、相当単純な人間だ。
 西田ひかるさんの、夏デパート物語を何十回も再生した、だいすけさーんっていう、番組だ。上京した時、真っ先に、伊勢丹・相模原店に足を運んだのは、言うまでもない。ラジオに投稿、電話でお話したり、サイン入りの傘をもらったり、何かとご縁があった。「ときめいて」という曲を、何度も聴いた。
 そういえば、ここ十年以上、寝言のように名前を呟いているスーパーフライ、越智志帆さんにも、ラジオで私のコメントを読んでもらったり、ファンクラブでは、川柳や写真に直筆コメントをいただいたり、会報誌に載せていただいたりもしている。スーパーフライさんに関しては、何度もいうが、人間臭さが最高に魅力的だ。
 小学生の頃は、チェッカーズと風見しんごさんのファンでもあったが、ライブに行こうとすると台風がきて、いけなくなったりしていた。高杢の真似をしてサングラスを買い、顔に髭をかき、真似をして、こそりとタバコをすって、猛烈に咳き込み、以来、一度も吸っていない。風見しんごさんのサックスに憧れて、吹奏楽部では、サックスを吹きたいと思ったが、唇が薄い私は木管楽器には不適だった。
 やはり男性にはご縁がないのか!?
先にも述べたが、私のファーストキスは女性。19歳、同じ大学の学生。しかも何の興味もない相手。彼女は色白の男性を好んだ。まさかと思っていた。足がすらりと長く、顔が小さい、色白で肌がきれいで頭も良い。切れ長の目をしていた。外科部長の娘ときた。
 留学中、ショッピングモールに一人ででかけ、吹き抜けから下を見下ろしていた私、
後から名前を呼ばれた。振り向いた瞬間、容赦なく、キスされた。軽く、ちゅっ、なら、まだ許せる。
「ぶちゅ~~~~~~」だ。唾を吐いて走って逃げた。当たり前だ。傷つこうが、知ったことではない。
傷ついたのは私の方だ。
 好きなら好きで、事前に伝えてくれれば良い。そしたら逃げようがある。いきなりちゅ~ってやっぱり卑怯でしょ。
 次の日、他の町へお出かけするために、お泊りは、同じフロアに雑魚寝。私の友人が10人はいたと思う。ガキの私は、少し離れたところにあったベットで、先に寝た。
 途中、ごそごそとソファーに集まった友人たちの話し声が聞こえてきて、目がさめた。
 「最近ね、私、悩みがあって。OOちゃんのことを好きなの。レズなのかな」
 OOちゃん、私のことだ。そんな質問、友人たちに一括でするなよ!しかも、当人、目の前のベットで寝ていて、その話、ここで聴いているし。
「ちょっと待ってと言われたって~♪」、ミスターチルドレンの、フレーズが過る。
 彼女らは、私の眉が思いっきり曲がったことを確認したのだろう。
「しっ!」という声が聞こえた。
 どんなときも、好きの事実を先に出してから行動に移してほしい。真上から、頭に鍋を落とされるほどの、ダメージがある。
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