第2話

文字数 403文字

 私は、小さい頃から、男の子っぽい。
 遺伝子の問題なのか、後天的なものなのかはわからないが、とにかく「女の子」を匂わせるものが大嫌いだった。ふりふりのドレス、七五三の着物、ぬいぐるみ、りかちゃん人形。叔母さんから百貨店で買ってもらった服のフリルをハサミで切ると、泣き叫び、大騒ぎしたことは、今でも覚えているくらい、嫌だった。
 私の遊び道具は、チェス、線路を家中に巡らせて遊ぶ電車、人生ゲーム、おもちゃの聴診器。世の中でいえば、女の子の遊びはほとんどしていない。そこを考えると、男性として、心を出発させたのかもしれない。でも、男でありたいとか、女でありたいとか、今でも、そんなの私にとってはどうでもよい。と、思える大人になったのは、きっと、周りがそれを強要しなかったからだろう。
 どんなに男っぽく、少年ぽくあろうとも、生まれてこの方、差別を意識したことすらない。両親に、友人に、先生に、感謝するばかりだ。
 
 
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