第37話 尊厳死に思う(2)

文字数 618文字

 会報「リビング・ウイル」は年4回出版される。
「終末期医療における事前指示書」の必要性を理解し書き込んでいる。

 回復の見込みがなく、苦痛が激しい。また医療の施しようのない時、無駄な
医療をせず、苦しまずに死ぬ権利を得ることであると信じて入会した。

 人生ままならむことばかりだったが、せめて己の死に方は、はっきりしておきたい。
事あるごとに、私は、尊厳死の意思を宣言している。尊厳ある死を迎えることは、
逝く本人のためだけでなく、遺された者のためでもあると信じている。

 「リビング・ウイル」の7月号に会の顧問である倉本聰の緊急提言が掲載されていた。
「僕の最も引っかかるのは人命尊重という古来の四文字を唯一の金科玉条とし、苦痛
からの解放というもう一つの大きな使命であるはずの医学の本分を医が忘れてはいま
いかということである」と述べている。

 尊厳死協会に入会しても、受ける側(医師)がはるか彼方の世界にいるのでは、
患者は安心して最期を迎えることはできない。

 倉本聰に近しい「コージ」の酷い死に様(倉本聰)が寄せた一文を読んで
協会と医師に不安と不信を募らせた。
 何のためのリビングウイルか?
 私は、協会に次のような手記を送ったが、どう処理されたかは不明のままだ。
3へつづく
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