第54話 じやんけんぽん

文字数 539文字

 最初はぐー。今年最後の集まりの日である。
みんな待ち構えていたのか、10分も早く集合した。
はじまったら、おしゃべりもできないので10分間お喋りタイム。
時間が足りない。みんな矢継ぎ早に喋る。

 「さあ。じゃんけんしよう」女史。
 使うトランプは53枚。確認して7カ所に配る。7枚と
8枚とになる。じゃんけんの勝者から取り込んで、不要な
カードから出す。手元がゼロになったら、上がりである。

 勝っても、負けても賭け勝負でないから、如何ってこと
はないが、蓮負けしたら、少し落ち込む。
勝ち負けは時の運。神様はおしなべている。1年間を平均すると
凸凹なかったなあ。誰かが言った。同感である。

 驚くほど個性の強い集団である。が、一糸乱れずまとめて行く。
さすが女史であると、いつも感心している。
 この日の当番は私である。茶菓子とお土産に椎茸を用意した。
みんなそれぞれに、手土産を持ってきていたので、沢山の頂き物 
を持ち帰った。
 正月にはちょっと早いけどと、女史にぜんざいを御馳走になった。
 今年Tさんが寡婦になったので、見目麗しい寡婦が6人になった。
Tさん曰く「亡くなってみて必要な人だったんだと知った」と。

 最高に楽しかった1年間。皆さんありがとう。
 くる年もお互いに勝ちましょう。健やかな御越年を。



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