第111話 世界制覇

文字数 773文字

 WBC世界一になった歓喜がまだ続いている。
たくさんの人の色々な賛辞が放送されていて、私もダルビッシュには
博愛というか「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の言葉を重ねている。
14年前のWBCの時にはイチロウが献身的に和の輪を作った。以来イチロウ
を見る目が変わった様に思う。
野球の神様の話がたびたび話題になる程、神秘的なドラマが幾度か展開して、
無神論者にも神様の存在を思わせた。視聴率を見ても日本人の多くが声援を送り、
心を一つにして興奮して楽しんだことがわかる。私も、楽しませて貰った。青春に
戻った一瞬であった。翔平に、吉田に、村上様に、ヌートバーと、若い投手陣に喝采。
手に汗握りワクワクした一期の時かもしれない。次々とエピソードが明かされているが、
信じる心の尊さ、強さ、監督こそ世界一の指導者であろう。

 選ばれた30人の選手団の中に一度も出場できなかった選手のことを忘れて
はいないだろうか。後に続く「補」があってこそ前戦は心置きなく戦えるのだと
信じる。日の当たる場所に居る者、日の影で縁の下を支える者。
「カゴに乗る者、担ぐ者、そのまた草履を作る者」諺がある。
何が欠けてもなせない。表裏一体である。
地が坎でも不可。根が悪ければ枝葉も花も育たない。ビルも然り。
高いビルほど地中に打ち込む杭は比例している。
 スポーツマンである後輩に日の当たらない者の話をしたら、
合宿をし練習試合をして、技、術、体調もみきわめて、選んでいるから
それは、仕方がないのだ。という。しかたなくても支えてくれた裏方に
感謝の気持ちを表して欲しい。   私は天の邪鬼だから……。
息子にオカンは強いから、弱者の気持ちはわかるまいと言われる。
何おか言わんなや。弱者のど真ん中に居る。

 日の当たらなかった人。自分のチームに帰って頑張って。
 そして今度は日本の土俵で暴れて。たのしみにしている。








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