第87話 風薫る
文字数 682文字
88夜も過ぎ、GWも終り季節は夏へ一直線。
薫風に誘われて、久しぶりにいつものコーヒー店へ。
毎度のことながら、老人1人の席は私の他にないようだ。
これって「侘しい」のかなぁ…ふとそんな気がするが、
人は人、我は我。
森林浴をしようと勇み足で店を出た。
道中、目に飛び込んでくる草木はなべて新緑だ。
緑は少しづつ色合いが異なり、むくむくというか、
わくわくというか、己を最大限広げて個性の色を
放っている。
「これほどの優しさはなし芽木の山」師の句を思い出した。
見渡す連山に黄色く群れている樹が目を引く。椎の木である。
所々枯れたようになっている一隅は竹藪である。竹の秋とは
ほんによく言ったものだ。
この道はいつかきた道。30年ぶりに正木ダムへの旧道を
選んだ…緑に覆われたダムは静かに眠っているようでさざ波も
たっていない。古い道は忘れられた過去の道になったのだろう。
静寂の世界である。狸はおろか、人にも車にも合わなかった。
木漏れ日を受けて早緑は一段と美しい。10分たらずで
新道に出て、ほっとした。
温泉の対岸にあるキャンプ場に、はじめて足をいれた。
シーズンにはまだ間があるらしく駐車している車は少ない。
川に降りて思い切り深呼吸。空気が美味しいとはこのことか。
川は少し枯れているが山川草木まさに薫風の中にある。
温泉の窓辺の席でアメゴの寿司定食を食べた。
柚子が効いていておいしかった。
窓から手をのべたら届きそうなところに大樹が
枝葉を伸ばしている。幹は苔むしていた。
仙人が作ったと聞く温泉はよく温まり土産に柚子酢を買った。
心身の充電ができた。さあさあさあ。何をしよう。
薫風に誘われて、久しぶりにいつものコーヒー店へ。
毎度のことながら、老人1人の席は私の他にないようだ。
これって「侘しい」のかなぁ…ふとそんな気がするが、
人は人、我は我。
森林浴をしようと勇み足で店を出た。
道中、目に飛び込んでくる草木はなべて新緑だ。
緑は少しづつ色合いが異なり、むくむくというか、
わくわくというか、己を最大限広げて個性の色を
放っている。
「これほどの優しさはなし芽木の山」師の句を思い出した。
見渡す連山に黄色く群れている樹が目を引く。椎の木である。
所々枯れたようになっている一隅は竹藪である。竹の秋とは
ほんによく言ったものだ。
この道はいつかきた道。30年ぶりに正木ダムへの旧道を
選んだ…緑に覆われたダムは静かに眠っているようでさざ波も
たっていない。古い道は忘れられた過去の道になったのだろう。
静寂の世界である。狸はおろか、人にも車にも合わなかった。
木漏れ日を受けて早緑は一段と美しい。10分たらずで
新道に出て、ほっとした。
温泉の対岸にあるキャンプ場に、はじめて足をいれた。
シーズンにはまだ間があるらしく駐車している車は少ない。
川に降りて思い切り深呼吸。空気が美味しいとはこのことか。
川は少し枯れているが山川草木まさに薫風の中にある。
温泉の窓辺の席でアメゴの寿司定食を食べた。
柚子が効いていておいしかった。
窓から手をのべたら届きそうなところに大樹が
枝葉を伸ばしている。幹は苔むしていた。
仙人が作ったと聞く温泉はよく温まり土産に柚子酢を買った。
心身の充電ができた。さあさあさあ。何をしよう。
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