第55話 無題(その2)

文字数 648文字

「おめでとうございます)
「ええー何のこと)
(あなたまだ新聞見ていないのね)
 趣味の会の長より電話であった。
「00文学賞に佳作で入選しているわよ」
「有難うございます。とにかく新聞を見ます」
文芸欄に最優秀賞x、優秀賞y、とk。その後に佳作4人
の名前が載っていた。自信というほどの力作ではなたった
が、こうして紙上に晒されてみると、よかったような、
尻込みしたいような、複雑な気持ちである。
「おめでとう」と何人にも声をかけられて、佳作でもよかった
のだと思った。

 会友の出版記念祝賀会。
 祝賀会場にプリーザーブドフラワーが2個ある。どうしたん?
一瞬、思って忘れていた。

 なんと1個は私のために用意されたものであった。
「ええー私もお祝いされるの」戸惑ったが、
主客と並んで祝賀を受けた。おこぼれに預かったようで
こぞばゆいが、ありがたくいただいた。

 会場はこの地では一流のpホテルの14F。遥か四国山脈も大橋も
望めて眺めは最高であったし、料理も美味しかった。
思わぬ飛び入りで、よい越年が迎えられそうである。

 年齢ではない。心に青春を持ってますます書き続けてと、
励まされたり、煽てられたりして、みんなに
「あなたが目標」と言われると、答えなくてはという気もする。

 いただいた「生かされた花」を眺めながらコロナ禍の中、
揺れに揺れ、変化を繰り返した己の今年一年を振りかえっている。

 明日はいいじゃあないか。その日がよければ吉。

 今日は最高の日であった。みんなに有難う。
 皺深い手を「ありがとう」と撫でている。12月18日





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