第35話 セカンドハウス

文字数 698文字

 セカンドハウスのつもりで出入りはご自由に。
しかし自由ではない。前もって申し出も必要だし半ば拘束されている。
9月22日から26日まで四泊5日で家に帰った。

 どうで?どっちが良いですか?面白そうに友は言うけど、5分と5分。
「両方よいのは頬かむり」と答えておいた。

 膝の手術から四年目で検査の予約が22日。少し痛いけど、変わりなし
と診断。続いて目の定期検診に行ったら、1日は暮れた。
23日は姪が迎えにきてくれて、父母や兄たちも、待っていてくれそうな仏
さんの、全ての墓参ができた。墓の隅や、田の畦は彼岸花のオンパレードだ

 11日に蒔いた大根が、大雨にも負けず育っている。大根の間引きをする。
残るは草との戦いであるが、農耕民族は土に親しんでいるだけで安らぐ。
  
自動車の持ち込みは禁じられているから、羽根をもがれた小鳥のように私は
とても不自由で可哀想である。

26日は曇りでゴルフにはよかろう。息子たちは出かけた。草抜きにもよい日
だった。やれやれこれでしばらく、草を追わずに済みそうだ。草との戦い完了。
小さい野菜畑も花壇もすっかり綺麗になって、ハウスへ帰った。

 朝7時の朝食に合わせて起き、身仕舞いを整えて食堂へゆく。365日
何の変哲もなく、黙々と、時間をまもり続けるのである。
私は、週2回朝食を休むことにして了解をとった。今日は休みの朝だ。

 昼まで自由だ。栗を剥いて少し食べた。番茶を飲んだ。それだけで満足している。
 歳を重ねると、昨日の疲れは今日にならずに、明後日にずれ込むらしい。

  一昨日の草との戦いが応えたのか、今日はしんどい。食欲もない。
  老いたくないものよとつくづく思う。○○の昼下がり。

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