第63話 土に癒されて

文字数 490文字

ここ何年かは、毎月決まって出席するのは趣味の会
(言いたいこと言い、書きたきこと書く)とトランプ会
の2つになった。すでに書いたが、いずれも錚々たるメンバー
がいて、目から鱗は毎回である。

「この所、貴女らしからん何か萎んでいるよ」
「別に私はおんなじよ」
「強がっても昔しのみなぎるものがないもの」
さすがに見る目は鋭いと脱帽。ぬるま湯の中に
当たり前の顔して浸っているのだ。幸せと表裏一体。

 息子に誘われて土日に昔の我が家へ帰った。
我が命ほど愛した畑は草の王国になり、大根が数本
立っていた。
「これまあ」と草を抜き始めるとみるみる充電できる
のを実感した。「これだ」私は農耕民族だっのをすっかり
忘れていた。楽しむために少しだけ土を残したではなか
ったか。その土も捨てて、家を出たんだから、自業自得
と言うより他ない。土に英気をもらって、水に放たれた
雑魚になった。
暖かい日にはまた草取りに帰ろう。
そのうちに春の野菜の植え付ける時がくる。
頑張らなくちゃあ。
することがなく、やりたいことがなくなったら、老に
1直線とは知識として知っていたが、本当なんだ。
頑張らなくても良い…好きな土いじりを楽しもう。1/31



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