第136話 気力は体力か

文字数 457文字

 ぐづついた雨の後の太陽は眩しい。
遠くに雲は浮かんでいるが私の天空は晴天である。
 十七日に講演と椿苑を欲張って両方こなし、十八日に墓参。二十日会食、二十二日デイ、
二十三日は趣味の例会。体力の限界を越えたのだろう。二十四日からパジャマが脱げない。
ずるずると落ち込む様である。蓄えがたくさんあるから少々欠食しても体重に影響はないが、
栄養は必要なのだろう。体力の落ち込んでゆくのをひしひしと覚える。
絶対しなくてはと言うものがなにもない。四日目に窓を開けたら、鉢の花が二鉢も萎れて
いた。急いで水を注いだが、復活しないかもしれない。可哀そうなことをした。
 昨日からなにも言葉を発していない。この世に、似た様なろ姥はたくさん居るだろう。
デイケアもランチも今週の予定は全てキャンセルした。なぜかほっとしている。
微々たる予定に追われ、時間に拘束されることが、嫌になったのかもしれない。
 体力が弱れば気力も衰える。心なしか声も小さい。これなら「お元気ですね」と
言われなくてすみそうだ。それでいいのだ。可憐な婆さんになった。3月27日


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