第41話 小さい秋

文字数 398文字

 日本に四季がなくなるのか。
日本は亜熱帯に属してゆくのか?季は10月というのにこの暑さ。

東の窓から入る陽の光は押入れまで届く。
押し入れのものも、、布団も、わざわざ陽に当てることははない。

 まだ半袖の生活をしている。

 9月末ころ蒔いた大根が1週間、見ていない間に大きくなっている。
暑い。あついと言いながらも自然は、確実に巡っているのだ。
雲の形が変わり、雲が遠くになり、天が高くなってゆく。
晩生と言っていた芒が穂を出し、陽を受けて金色に輝いている。
一陣の風に、穂綿は舞い上がる。長い間、咲き次ぎ楽しませて
くれた露草も終わりを告げている。

 山裾に野生の秋桜が咲き乱れて、秋桜の中を野良猫が尻尾を
ふりふり悠々と通り過ぎていった。
 コロナに怯えながらも自然と共存する。かけがえのない一日。
 こんなに暑くても蝉の声は聞かない。
かといって虫の声もまだ聞かない。野に出たらきっ虫の声を聞
くことができるのだろう。

 


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