第38話 尊厳死に思う(3)

文字数 667文字

 倉本聰さんの「そしてコージは死んだ」の手記を、
身震いしながら読んだ。
尊厳死協会に入会しているからといって、安心出来ないし、
さらに安全でないことに気がついた。目から鱗だ。
すっきりしない靄が晴れた思いである。

 日本の医師の何割かが、この会を理解し支えてくれていたら、
「コージさん」はあんなに苦しまずに昇天できただろう。
背後に倉本聰氏が付いていて、「コージさん」は苦しみ抜いて死んだ。
リビングウイルの会員でありながらこの結末だ。何が安心だ。
名もない田舎の老婆の終焉を想像して震えている。

 今まで尊厳死協会の会員証を見せたら、苦しまずに死ねるんだと
安易に考えていたが、それは間違いと気がついた。

 会報からは安全、安心喜ぶことばかりが送られてきたような気
がする。どこか忖度に似ている。

 私は、目、膝、甲状腺ガン、骨折と手術受けた。持病もあり、時々
入院もする。その都度会員証提示したが、医師は目を通したにすぎ
なかったように思う。

 有名人が役員に名を連ねる日本にあるたった一つの協会。
折角だから、協力医師を増やして頂きたい。そしてお医者さは患者
の人間としての尊厳を考えてほしい。

 このコロナ禍で医療に携わっている方々のご苦労、ご心労には
頭が下がるばかりで、言い難い提言ではある。

 言うは易しであるが、私はまずかかりつけ医にLMの協力医に
登録してもらうお願いをしよう。

 そして安んじて臨終を迎える自分をイメージしようと思う。

 最後になりましたが、
倉本聰さん、勇気あるご提言ありがとうございました。
             目覚めた日の一筆啓上より。








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