第125話 どうしょう

文字数 713文字

 検査すれば腎臓の数値が少し高い。
まあ許容範囲だと医師は言っている。が夕方が来ると足がぽってり腫れる。
その上、寝ていると脹脛がつる。簡単な器具を備えてある。
 昨夜もツルーの前兆があり、いけないと飛び起きて機械に乗った。
乗ったままで足はつっている。駄目かと降りようとして、尻餅をついて転んだ。
重い体は思い切り転んだ。腰と左の肘と頭は同時に打ったようだ。
 
 しばらくはじっとしていた。さて、どうしょう。
この体制で起き上がれないのはわかっている。尻餅をついたまま、尻で這うて
枕辺の電話を掴んだ。
最悪これでなんとか助けて貰える。安堵して小休止。
スマホを開けた押したらいいだけになった。辞めた。時計を見たら11時30分。
息子はもう寝ているだろうと思うと、ボタンが押せない。
 助けてもらうのはもう辞めよう。朝までこうしていようと決心したら
心が落ち着いた。
歪な格好で水を飲みテレビを見ていた。
さてどうしよう。尿意を擁して来た。もう起き上がるしかない。
段差をつけるため、Siriに枕を敷いた。これ以上Siriが重くて上がらない。
Siriで擦りながら狭い部屋を巡り色々な方法で立ち上がろうとしたが駄目。
最後には、四つん這いになって、やっとヘッドボードに掴まった。
 なせばなす。諦めなかったら、やれるんだ。
 後頭部を打ったようで痛くて熱い。氷枕をした。左肘も打っただけで
骨は大丈夫。あれが前のめりに転んでいたら、膝はどうなっているのだろうと
思うと、家の中ででも、怪我をするんだと悟った。
骨だけはしっかり産んでくれていたのだと感謝している。
何ったって90を超えているから、老婆である。
一日、今日一日を心して生きなくては、と思う今日の朝。 9/24
 





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